人権を抑圧する「カルト」 ― 2005年06月26日 06:15
人権を抑圧する「カルト」
自分の欲望・利益を満足するために宗教を利用するあさましい宗教者がいる。宗教は元来は、苦悩する人を救済する目的をもつものであろうが、宗教指導者が自分の欲望を抑制できないとか、他者の苦悩を思いやることができない人間が加わると、「カルト」になる。救いを求めるつもりの宗教によって、人権を抑圧され、財産を奪われ、苦しむ人や、抑圧されていながら、そのことにめざめず、奴隷のように宗教者に奉仕する人がいる。オウム真理教事件は、その規模、および、大量殺人という犯行の異常性によって、多くの人が知っているが、「カルト」と呼ばれる特殊の思想、宗教を提唱し、信者を抑圧して、人権を無視する団体が多い。その行動によって、信者本人ばかりでなく、その子供の成長・発達を阻害し、一般社会への適応を困難にするという問題を引き起こす。信者や組織員は、組織のトップから、その人を絶対視させて、特殊の思想を植え付けられていて、「不安」に関連して、一種の心の病気、社会への不適応の状態にあるので、被害者を救済するには、特別のカウンセリングが必要になる。
元来、仏教は、厳しい自己洞察を求める。自分勝手な思想で自己満足することを許さない。カルトが主張する思想、教えとは、仏教でいう「悪見」(「我見」「見取見」「戒禁取見」など)であり、認知療法でいう「固定観念」である。これを修正しない限り、被害者は「不安」から解放されず、根本解決には至らない。仏教カウンセリングも認知療法も、「悪見」や「固定観念」の修正をはかるので、カルトや宗教問題で苦悩する人を治癒させることを試みる。
とりあえず、次の点があるのは、カルトの様相が強いので、注意してほしい。被害・苦悩が大きくないうちに、脱会したほうがよい。
- 組織のトップや幹部(生きている人間)を絶対視させる。
- 外部の社会を汚れたところ、おそろしいところとする特殊な思想がある。
- 現在の職業、現在の家庭から離脱することをすすめる。
- 多額の献金をさせる。
- 財産のすべて、あるいは、相当な高額を拠出させて、その組織から脱退しにくい状況にしている。
- 隔離された施設に共同生活し、外部の情報を遮断する。
- 施設内での活動を参観させない。
そのほか、自らの悪を隠す傾向があるので、カルトは、次のように自分たちの正体を隠して勧誘する場合がある。早く気がついて、とおざかるべきである。
- 外部への宣伝では、上記のようなことはないというが、実際は行なっていること。
- 外部へは、セミナー、自己啓発、ヨーガ、カウンセリング、生涯学習、種々の社会問題(ひきこもり、不登校、過食、育児不安、など)にとりくむ援助を行う企業やNPOなどを装う。しかし、実質、上記の様相がある団体は、カルトである可能性が高い。
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