リストカット・夜回先生取り組む2005年11月09日 15:20

  「夜回り先生」と呼ばれている水谷修氏の最近の活動が紹介された。(11月5日、NHK教育テレビ、ETV特集 「いいもんだよ、生きるって~夜回り先生・水谷修のメッセージ2」)
 水谷修さんは、リストカットをして苦しんでいる子どもたちの救済活動に乗り出した。

 水谷さんの活動が世に知れるにつれて、相談メールや電話が殺到するが、その多くがリストカットに苦しむ子どもたちだった。
 種々の悩みや不満を抱えた子どもたちのうち、元気のあるものは夜の街へ出ていく「眠らない子どもたち」。タバコ、アルコール、覚醒剤、暴走族。
 別な種類の子どもたちがいる。夜の街に出ていけない、子どもたちが眠れぬ夜に手首を切っている。リストカット。「夜眠れない子どもたち」の抱える「心の闇」を、水谷さんは年間300本以上行っている講演で、訴え始めた。

 水谷さんからのメッセージはこうだ。
     「つらい時には、まず水谷を頼ってけっこうです。
    まわりの先生を頼ってけっこうです。
    いろんなとこで、「私はつらい。きびしいんだ。」とやんなさい。
    この中で、もし、リストカットしている子がいたら、かくすな。絶対にかくすな。」
 「リストカットをするならば、人(先生や親)の前でやれ」とまでいう。そこまで苦しんでいるとわかれば、先生や親が助けてくれる。先生や親が助けてくれなくても、誰かが助けてくれる。一人で、苦しむな。

 水谷さんはいう。子どもに「リストカットするな」というのでは、止まらない。そうせざるをえない苦悩をかかえているのだから、大人が助けてあげなければいけないと。

 こういうリストカットする子どもは、悩んでいる。いじめ、先生の言葉に傷つく、学業のこと、両親の不和、将来の不安、生きることの意味、種々の苦悩があり、解決の糸口がみえず、夜眠れず、泣きながら、リストカットする。そんなことで、悩みは解決しない。
 薬物療法では治らない。水谷さんのよびかけで、リストカットしている子どもがいることがわかったら、その子どもの悩みを聞いて解決への支援をする仕組みを作っていくことが必要だ。各地域に必要である。さもないと、水谷さんもいうが、今後、小中学生、高校生の自殺がふえる。

児童の虐待多発2005年06月29日 08:02

児童の虐待多発

 親による我が子、義理の子への虐待が多発している。
  • 4歳女児に大けが負わす、内縁の妻の娘(4)に大けがを負わせた(大阪府、6月25日)
  • 1歳半女児を暴行、死なせる…自衛官の父逮捕(沖縄県、6月26日)
  • 3歳女児、虐待で死亡、父親を傷害致死容疑で逮捕(東京都、6月20日)
 全国の児童相談所で対応した04年度の児童虐待の相談件数が、前年度比24%増の3万2979件だった。これは統計を取り始めた90年度以降、初めて3万件を超えた。

 児童虐待については、種々の機関が相談、解決にとりくんでいるが、ふえる一方である。虐待するのは、一種の心の病気であるので、心のカウンセリングをしないと、止まらない。虐待する親も、幼い時に、自分が虐待の被害者になっていたことが多く、「虐待は連鎖」するといわれている。遺伝ではなく、幼い頃の経験が、否定的なつらい感情的な体験を重ねていて、感情的な処理がうまくなされない。今、自分が子どもを持って、子供の様子をみると、自分の過去が記憶からよみがえり、感情をおさえきれなくなる。
 虐待をしている親には、自分が悪いことをしているという意識がない場合もある(この場合、長く外部に発見されず悲劇を生む)が、罪の意識を持つ親は、相談機関にいくこともある。この時に、時間をかけて、心のカウンセリングを行わないと、悪いとは知りながら、感情を抑制できずに、手を出してしまう。人は、理性や知識だけで行動するのではない。感情が行動に大きく影響する。怒り、不安、恐怖、ゆううつ、後悔、嫌悪、・・こういう感情によって、人は行動する。自分に向かう行動の異常として、不安障害、うつ病、自殺、アルコール依存、麻薬、過食症、リストカットなどがあり、他者や社会に向かう異常行動として、虐待、家庭内暴力、家庭内殺人、いじめ、差別、偏見、セクハラ、放火、。。。
 すべての人が、なぜ感情が起きるのか、どうしたら感情をコントロールして抑制できるのか、ということを学び、実践しないと、社会の悲劇がなくならない。