見て見ぬふりする社会2022年01月18日 07:52

ここ20年ほどうつ病の人たちのことをみていますが、どこにもおられるのに見捨てられているみたいです。 へファーナンの「見て見ぬふりする社会」は、うつ病のことでは、 日本もそうですね。

 うつ病の治療法が日本では普及しません。

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中学生の片頭痛→不登校→ニート→自殺!2005年10月15日 08:52

中学生の片頭痛→不登校→ニート→自殺!

=中学生の片頭痛はニート対策との関係がある

 現在、自殺とニートは、国をあげてとりくんでいる社会問題である。ここに、坐禅や腹式呼吸によるカウンセリングが大きな貢献をする。アメリカでの、新しい認知行動療法に、とりいれられている、アクセプタンス、コミットメント、マインドフルネスが、禅であり、仏教なのである。ありのままの感覚、症状を静観できず、おかしな害ある行為でまぎらすか、回避の行為をするので、心の病気になる。アクセプタンスしない、マインドフルネスをしないからである。

 日本の中学生に片頭痛が多いことがわかった。その根本的な対策をとらないから、不登校となり、ニートとなり、自殺にいたる構図も見える。

 「中学生の20人に1人程度が、頭がずきずきと痛む「片頭痛」を患っていることをうかがわせる初めての大規模な調査結果を、名古屋市立大小児科グループがまとめた。大人よりやや少なめだが、周囲の理解不足から「仮病」と誤解されることもある。的確な診断と治療が行われなければ学業にも支障が出ると、専門家は指摘している。11日、京都市で開かれた国際頭痛学会で発表した。」

 「頭痛発作が1~72時間続く、ずきずきと痛む、吐き気や光過敏があるなど、片頭痛の国際診断基準に当てはまったのは、男子110人(3.3%)、女子203人(6.5%)で、全体の4.8%だった。」 (朝日新聞、10/12/2005)

 報道では「子どもの頭痛は大人より軽いことが多く、痛みが始まって鎮痛剤をすぐ飲めば抑えられる。家族に片頭痛を持つ人がいる場合が7割を占めるので、心当たりがある場合は受診を」という医師の言葉をのせている。  報道にあるとおり、頭痛には、鎮痛薬が効くのであるが、気になることがある。薬物療法に並行して、ストレス対策をとるべきである。

 片頭痛は、セロトニン神経の弱体化によって起きるとも言われていて、抗うつ薬が効くとされる。だが、これは、うつ病の治療と同様の問題が懸念される。対症療法的であり、根本治療ではないのではないか。報道で次のように伝えている。

 「頭痛の継続時間は、過半数が1~4時間未満。吐き気やめまい、耳鳴りなどを伴うことが多く、起こりやすいのは「睡眠不足のとき」や「ストレスがたまったとき」との答えが目立った。」

 睡眠障害とうつ病との関係は深く、睡眠障害の人は、やがてうつ病になる割合が高いという研究結果もある。つまり、片頭痛もちの子は、ストレスをかかえている。これを根本的に軽減しないと重症化するおそれがあるだろう。

 「子どもの頭痛があまり知られていないため、『仮病』だと思われることもある。それがストレスになり、学校生活に支障が出る可能性もある」と指摘されているが、このことも、子どもの不登校を招き、さらに、ながびいて「ニート」にしてしまうおそれがある。

 不登校とニートには、病気によるものの場合、似ているのであって、「(H)その他」になるが、これには、「心身症」によるものが、かなり多いと思われる。片頭痛は、ストレスによるものが多く、心身症である。腹痛や下痢もある。子どもに片頭痛が多いことがわかったわけであるが、鎮痛薬で治療していると、根本のストレス対処法が身につかず、薬づけになって、効かなくなったり、うつ病に発展したりするおそれがある。
 子どもが片頭痛とわかったら、鎮痛薬治療もやむをえないが、並行して、ストレス対策のカウンセリングを試みるべきである。ニート対策は、このような、早い時期からとりくまないと根本的な解決にならないと考える。ニートになってから、対策をとるのではなくて、片頭痛を訴える頃から、その根本的な治癒対策をとることが、ニートを減少させる。
 ちなみに、薬物療法によらず、腹式呼吸法で、片頭痛を治している医者もいる。また、腹式呼吸法をとりいれたカウンセリングで、うつ病が治ることがあるが、うつ病の患者にある頭痛、胸痛なども治る。ストレスにより、セロトニン神経が弱って、痛み、うつ病を起こしていると考えられる。
 たかが、片頭痛と思わず、中学生から、しっかり治してやらないと不登校、ニートにしてしまう。やがて、うつ病、自殺につながる。子どもの片頭痛、はきけ、睡眠障害には、薬物療法だけでなく、ストレス対策のカウンセリングを重視してもらいたい。
 大きな社会問題となっている、うつ病、自殺、不登校、ニート、ひきこもり、みな、ストレスによる心の病気、身体の病気(心身症)がからんでいるものがかなり多いようである。この理解が充分ではないために、対策がまとはずれになっている側面もある。こうなると、本人たちだけの問題ではなくて、社会の問題である。

 ニート、自殺の対策には、小中学生段階から「心の病気」や「心身症」について、薬物療法ではなくて、ストレス対策の心の智慧という根本的対策が必要であるという私どもの提言に賛同して、同じような運動にぜひ、参加していただきたい。

書籍紹介「医者にうつは治せない」(4)2005年09月30日 14:58

薬物療法で治らない例(C,D,E)

 書籍紹介「医者にうつは治せない」織田淳太朗、光文社新書

 著者自身が、うつ病になり薬物療法を受けたが、効果に疑問を持ったこと、入院中に知った薬物療法の弊害、治らない患者、自殺していった知人をみて、薬物のみによるうつ病の治療を批判している。
 薬物療法だけでは治らなかった例がいくつか紹介されている。こういう治らない事例は、医者主導の薬物療法を中心としたうつ病治療、自殺防止活動で紹介されることは少ないから、私もあえてご紹介している。自殺防止の対策の抜けがないようにしていただきたいからである。さもないと、自殺減少が10年、遅れてしまう。
  • 薬物療法で治らない事例C
     C子さんの場合。数年前、パソコンを買ってから、その依存症になった。パソコンに向かってばかりで、掃除、洗濯をしない、食事も満足にとらない。2人のこどもの世話は、みかねた母がやった。 1年後、総合病院の精神科にいくと、うつ病の診断で、3か月入院した。その後も、投薬治療を受けたが治らず、希死念慮に襲われ、睡眠薬に依存。ある日、睡眠薬を多量に飲んで、救急車で運ばれて、一命をとりとめた。以来、通院先の病院から投薬を拒否され、他の病院でも拒否された。その状況から、インターネットの出会い系サイトで知り合った多数の男性と肉体関係を重ねた。知人の紹介で、札幌太田病院に入院して、内観療法を受けた。著者が、インタビューしたのは、半年後で、症状が落ち着いていた。(91~95頁)
  • 薬物療法で治らない事例D
     D子さんの場合。そううつ病がなおらない。4件目の病院では「薬の強い副作用のため、運動機能が麻痺して動けなくなったこともあったという。」
    5件目の札幌太田病院に入院して、内観法を受けた。20年も前に受けた夫の浮気や暴力を受けていたことを思い出して、猛烈な怒りをおぼえた。ためこんでいた怒りを吐き出すと、樂になった。著者は、その頃、入院中のD子さんにインタビューした。(90~91頁)
  • 薬物療法で治らない事例E
     Eさんの場合。貧困な家庭に生まれたが、長じて会社を起こして成功。20数億円の資産を築いた。会社をたたんで、ハワイに移住し、ホノルルに自宅、マウイ島に別荘を構えて、悠悠自適の生活にはいった。二年後のある朝、起き上がれない。「死にたい」という気持ちに襲われた。病院にいって、薬物療法を受けたが、改善せず、自殺念慮とのたたかいが続いた。ある人の紹介で、催眠療法を行うカウンセリング所に行った。しばらくカウンセリングを続けるうちに、Eさんは、抑圧していた感情に気がついた。そのうち、仏教書にひかれて読んだ。比叡山にこもって得度も受けた。このあたりで、Eさんのうつ病は治り、また別の会社を興した。(128~130頁)
 こんなに薬物療法で長期間、ふりまわされる悲惨な患者がいる。毎年、3万人以上の人が自殺するようになって、7年である。毎日、90人が自殺する。そんな中に、薬物療法で治らなかった人も多いはずである。タレントのMさん、国会議員のNさんも、薬物療法を受けていたのに、自殺した。いつ、身近な人がそうなるかもしれない。うつ病はありふれた病気だから。
 ここに、心理療法で成功しつつある例ばかり紹介しているが、心理療法でも効果がない例もあることは、この著書でもふれている。どの心理療法でも、うつ病のすべての例に効果があるという完全な療法はない。ここでは、長く投薬されるうつ病患者が治らない、治らないのに、投薬され続ける例があるということを理解しておきたい。薬物療法では、治る人もいるが、治らず薬づけになって仕事にさしつかえ、非行に走り、自殺念慮が起き、実際、自殺未遂、自殺実行にいたることがあることを知っておきたい。これらの事例では、長期間の薬物療法の後に、心理療法を受けているが、もう少し早く、心理療法を試みるべきである。ある期間、薬物療法が効果がない場合、薬物療法の医者を転々とするのではなくて、心理療法のカウンセリングを試みるのがよいことがわかる。
 自殺防止の対策のうち、「うつ病への予防」対策のほか、もう一つの重要な「うつ病治療の対策」には、薬物療法のほかに、効果がない場合、すみやかに、心理療法を受けることができる体制を作るべきである。5年も、10年も、薬物療法のみを受けて治らないような患者がかわいそうである。自分や自分の家族がそんな目にあったら、どんなにつらいことかわかるだろう。うつ病は、ライフイベント(人生上の種々の出来事)などで誰にでも起きる病気である。だが、薬物療法で治らないということが、どのご家族に起きるかもしれない。欧米で、対人関係療法や認知行動療法が、うつ病に効果があることがわかっている。これができるカウンセラーの育成を急ぐべきである。抗うつ薬の薬理は、完治ではなく、みせかけである。プラシーボ効果の疑いが出てきた。心理的ストレスでなったうつ病には、心理的療法がよい。心理療法を主とし、薬物療法を従とする逆がよいだろう。そのほうが副作用が少ない(心理療法の副作用もゼロではないが)。