パニック障害の患者は「うつ病」になることが多い ― 2005年06月08日 06:42
パニック障害の患者は「うつ病」になることが多い
パニック障害の患者は、その症状の重さや行動の制限による苦悩から、「うつ病」になることが多い。次のように、高い割合で、うつ病が並存(50-75%)しており、自殺念慮を持つ割合も高いという報告がある。- 「パニック障害患者の半数から4分の3にうつ病がみられている。」(1)
- 「症状による日常生活機能の障害と、(不安に負けて何もできない)みずからを情けないと感じる意気消沈のため、続発性のうつ状態に陥る。約60%の患者に見られる。」(2)
- 救急外来の患者(救急者で運ばれて受診した例)
「パニック障害と診断された症例の25%が自殺念慮をもっており」 (3)
パニック障害になった人で、薬物療法だけで軽くなっても、「完治した。もう大丈夫だ。」と言い切れない人は、心理カウンセリングを受けるほうがよい。ライフイベント(人生上の大きな出来事)によるストレス対処に強い心になっておいたほうがよい。
(注)
- (1) 越野好文(金沢大学大学院脳情報病態学(神経精神医学)教授「パニック障害とは何かーどんな症状か」(「こころの科学」107号、日本評論社、18頁。)
- (2)竹内龍雄(帝京大学医学部附属市原病院精神神経科教授)「パニック障害とは何かー経過と見通し」(「こころの科学」107号、日本評論社、24頁。)
- (3)岸康宏(ミネソタ大学神神科)「パニック障害とは何かー救急外来とパニック障害」(「こころの科学」107号、日本評論社、40頁。)
最近のコメント