医者は自殺を防止できない ― 2005年09月21日 17:43
うつ病の治療は欧米では認知療法、対人関係療法
水島広子氏の国会質問 (日本で認知療法、対人関係療法が遅れている問題を指摘)国会議員の水島広子氏が国会での質問で、日本の精神医療の問題点(薬物療法への偏り、認知療法、対人関係療法など心理療法の遅れ、心理療法は公的保険の診療報酬が安いから医者が行わない問題点など)を指摘しておられます。次はその一部です。
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「そういったときの精神療法でございますけれども、薬と違って、飲んだらすぐに副作用が出るとか、そういうことが客観的にわからないために、効いているんだか効いていないんだかわからない。
効かない場合にも、今までは、本人が悪いというふうに言われていたような流れが日本にはございまして、諸外国ではそうではなくて、きちんとしたやり方に基づいて行えばこういう効果がこのくらいの期間で出るというようなことも、きちんとデータがとられているわけでございますので、ぜひその辺、大臣もこれから積極的にお勉強いただきたいと思います。
さて、精神療法の有効性についてのエビデンスは、特に認知療法あるいは認知行動療法や対人関係療法については、欧米で広くデータが得られ、アメリカ精神医学会のうつ病や摂食障害のガイドラインでも、実証的研究を踏まえながら採用されております。
昨年十月の厚生委員会で、私が認知療法と対人関係療法について質問しましたところ、厚生省の方の答弁は、「人間関係療法というふうなものはまだ確立された療法ではないというふうに私どもお聞きしているわけでございます。」というようなもので、私は大変驚いたわけでございますが、その後、精神療法の効果についての検討状況を国際的な視野でお勉強していただけましたでしょうか。」
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こちらが、ホームぺージです。ご覧下さい。
→水島広子氏のホームぺージ
→水島広子氏の国会質問=2001/5/18 精神医療、無認可保育所について
水島氏のご許可を得て、臨床仏教カウンセリング協会のホームぺージに全文を掲載させていただいている。
→ 臨仏カ協会のHP=水島広子氏の国会質問
うつ病の薬物療法は再発、効かない人がいる、副作用がある、などの限界があるので、欧米では、認知療法や対人関係療法が、うつ病の治療に貢献している。しかし、日本では、自殺防止の最終治療に、精神科医にまわす。だが、医者は忙しすぎる。いまの診療報酬制度では、医者は、認知療法や対人関係療法を学び、これで治療しようとは思わないだろう。
社会の仕組みで、予防も重要である。そちらは、県、種々の組織が対策を考え始めた。その効果が数年後には出てくるだろう。しかし、どうしても、うつ病になってしまう人がいる。なってしまった人を治す治療法が医者による薬物療法では問題が多いのだから、心理療法ができる人を増やす必要がある。なぜ、臨床心理士などのカウンセラーがそれを学ばなかったのか、カウンセラー業界も、欧米よりも十年も遅れたのである。
今、活躍中のカウンセラーの方たちは、学生時代に、日本ではまだなかったため認知療法を習得しなかった。さらに、企業や学校などとの契約があって、忙しいのだろう。新しい心理療法を学ぶ時間がないのだろう。今後、心理系の大学で育成される新しいカウンセラーには、うつ病に効果のある新しい心理療法を学んでほしい。
そのほかに、医者以外の人たちも、認知療法、対人関係療法を学んで、その組織での、うつ病の予防、治療にとりくんでほしい。人に接することが好きな人は、習得できる。
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