うつ病の治療に欧米との差2005年09月08日 08:48

前立腺がん治療に欧米との差

 男性に急増している前立腺がんの治療で、欧米では推奨されていない早期がんへのホルモン治療が、日本では約4割の医療機関で「主な治療法」として実施されていることが、読売新聞が実施した全国調査で明らかになった。
 手術、放射線などの実施率も医療機関による格差が大きく、治療方針のばらつきが浮き彫りになった。ホルモン治療については、根治治療の遅れなどの弊害も指摘されている。
 実際の治療実施件数でも、手術が最も多かった施設は48%、放射線治療が多い施設10%、ホルモン単独治療が多い施設42%と、医療機関による傾向の違いが大きかった。
 ホルモン治療では、毎月または3か月に1回の注射を行い、男性ホルモンの作用を抑える。去勢と同じ状態になるため、のぼせ、活力低下など更年期症状の副作用がある。米国では、早期がんには手術または放射線治療、経過観察が主な方法とされ、ホルモン治療は治療指針に記載されておらず、患者の1割程度にとどまるとされる。
(2005年8月6日 読売新聞)

「うつ病」治療に欧米との差

 私が問題にしたいのは、「うつ病」、自殺問題の治療である。うつ病、自殺念慮の治療では、日本では、薬物療法が第一の選択肢であり、医者は、それしか知らない、できない医者、それ以外を信じない医者が多いようである。心理療法をすすめようとせず、いつまでも薬物を処方し続ける医者がいる。
 だが、アメリカでは、うつ病治療の第一選択肢は、薬物療法ではなく、心理療法である。うつ病は、心理的ストレスによって起きる場合が多いので、その治療法として、心理療法が選択されるのは、合理的である。だが、日本は違う。
 抗うつ薬には、種々の副作用がある。一度、治っても再発が多い。治ったといっても、発病前の健康なレベルまで回復するのではなくて、根本治療にならない。すなわち、セロトニン神経などの根本的活性化ではなくて、セロトニンの再取り込み阻害の効果しかない。再発をおそれて、抗うつ薬を飲み続けると、性的不能という深刻な副作用の出る人がいる。結婚できなくなり、子どもを生みたいという欲求もなくなるであろう。抗うつ薬を服用していると、うつ病が完治していないとみなされて、職場復帰、再就職で差別されることもある。
 ところが、うつ病は、心理療法で、完治する場合も多いのに、医者はそれを学習しないので行わない、言えない。治らなくても、薬物を処方すれば、医者と製薬会社には収益があがる。日本では、うつ病の治療は、医者や製薬業界主導になっているために、薬物療法に誘導するのであろう。患者本位の治療になっていないのが、うつ病、自殺念慮の治療、支援である。うつ病が治らないと、自殺するおそれがある。 治ったとみなされても、再発防止として、うつ病の薬物を飲み続けていると、就職も困難、結婚も困難となって、苦悩が深まり、結局、ニート、引きこもり、自殺に追い込むこともある。
 うつ病、自殺問題は、薬物療法の医者以外に、カウンセラー、公的機関、地域のボランティアも取り組むべきである。また、薬物療法のガイドラインを作成すべきである。たとえば、1年、薬物療法を行っても、治癒しない場合、中止し、心理療法を受けるべきであるとか、抗うつ薬を一生飲むという方針はやめて、薬物療法を序々に減少しやがて停止する方針とその指導などである。日本は、うつ病、自殺問題が、患者本位の仕組みになっていない。ニート、ひきこもりの人々の中にも、その犠牲者が多いであろう。

 これを、ご覧になった方にも、抗うつ薬を服用し続けて、1年以上たつのに、治らない方もおられるであろう。心理療法も併用をこころみた方がよいでしょう。

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