がんは誰が治すのか2005年05月30日 08:20

 抗がん剤の研究者が書いた本「がんは誰が治すのか」の書評(評者 天外伺朗氏)を見た。 著者は、松野哲也氏、晶文社。 朝日新聞書評

 著者は、抗がん剤開発者。抗がん剤研究をしていた時、共同研究者ががんで亡くなり、著者本人も大腸がんを発病した。治療法の選択に迷うが、最終的に手術を拒否し、代替医療を選択した。

 「その経緯が良好だったこと、ならびにがんを作ってしまった自分自身の精神状態に思いが至り、発想が一八〇度転換する。「病気を治すのに薬がいる」という常識は、単に製薬会社と医師がつくりあげた幻影だと気づく。専門知識を生かして意識と自己治癒力の関連について考察を進め、医学の世界では邪魔者扱いされているプラシーボ(偽薬)効果に、積極的な意味づけを与えた。さらに西洋医学や近代科学の限界を指摘し、「人間とは何か」、「宇宙とは何か」という哲学的な思索に踏み込んでいった。」

 「これらの「気づき」は、著者が抗がん剤の研究者だけに貴重だ。現在では、これらの内容は多くの人々、とくに医学関係者には突飛(とっぴ)にうつるだろう。しかしながら、同様な「気づき」に目覚めた人は医師にも患者にも多く見られ、「ホリスティック医学協会」という団体も組織されている。これは、身体を部品の集合と見る西洋医学の限界を超えて、代替医療や伝統医療を積極的に取り入れ、身体を精神も含めてまるごと診る医療だ。」

 天外氏も(「私」は天外氏)病気の予防の大切さを提唱している。

 「私自身は、さらにその先を行き、病気にならないように指導することを主務とする「ホロトロピック・センター」で病院を置き換えることを提唱しており、すでに各地で具体化が始まっている。そこでは病気を「気づき(意識の成長・進化)」の重要なプロセスととらえ、生まれてから死ぬまでケアをする。著者と同様な「気づき」に目覚めた人が多くなると、真の医療革命につながるだろう。」

 私(このBLOG著者)は、うつ病、自殺問題、パニック障害などの心理的なカウンセリングで治すことを行っている。これらの治療には、医者がまず担当しているようだ。薬物を投与される。一部の人は治る。だが、治らない人もいて、長く、第一線の職業からの後退を避けられず、長引くと、自殺する人も多い。自殺は、毎年3万人以上であるが、たいてい、うつ病になっている。
 ここでも、心の病気に薬物療法を行って利益を得るのは、医者と製薬会社だ。アメリカでは、これらの病気は、薬物療法ではなくて、心理療法が第一の選択だ。うまくカウンセリングすれば、これらの病気は、薬物療法ではなくて、カウンセリングで治る。「病気を治すのに薬がいる」という常識は、単に製薬会社と医師がつくりあげた幻影だ」というのは、うつ病、自殺念慮、パニック障害についても言えるようだ。もちろん、薬物療法がうまくいく患者も多い。とにかく、患者に代替医療の情報を提供して、患者が選択できるようにしなければいけない。薬物療法絶対主義を変えていくのが、患者、国民多数の利益だ。
 がんの薬を開発する人が、薬物療法を選択しなかったというのは衝撃であり、やはり、心の問題が重要だと再確認した。心理的ストレスが、がんを発症させ、発症後も、心理ストレスががんの進行を左右することがわかってきた。精神腫瘍学と呼ばれる分野で研究されている。がんになった患者も、仏教カウンセリングを実行してもらいたいと思う。うつ病、自殺、パニック障害は、予防法もある。そうならないように、普段から、ストレス緩和の心の実践法がある。これも重要だ。

 がんについては、私は、自分や家族ががんになったら、薬物療法、手術、ホリスティック医学、緩和ケアのみ、など、どれでも、検討して、種々、利用させていただくと思う。一つだけを絶対視する気持ちはない。
 病気(うつ病、パニック障害、がんなど)は、薬物療法医と製薬会社だけにまかせていいものではない。これらも大切だが、心理的なケアも同じくらいに重要だ。

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