心の病抱える社員 半数の企業で「増加」2005年05月17日 11:55

 財団法人「労務行政研究所」は、「社員のメンタルヘルス(心の健康)対策」について初めて実施したアンケートの結果を発表した(4月15日)。
 この3年間でうつ病や心身症など心の病を抱える社員が「増加している」と答えた企業が52%にのぼった。従業員1千人以上の大企業に限ると7割が「増加している」と答えた。
  • 調査期間は今年1~2月。上場企業など全国3952社を対象に郵送し、276社の人事・労務担当者から回答を得た。うつ病やノイローゼ、心身症、人格障害などの精神不調を「メンタルヘルス不全」と定義し、会社に医師の診断書を提出した在職・休職者の有無などを尋ねた。
  • 「増加」と答えた企業に、年代を聞くと、最も多いのが、30代で39.6%。次いで20代(27.6%)、40代(18.7%)の順。「年代に関係なく」も34.3%だった。
  • 相談体制を整えた企業は約4割、休職後の職場復帰の手順を定めた企業は4分の1にとどまる。 300人未満では1割に満たなかった。
  • その対策(複数回答)については、「心の健康対策を目的とするカウンセリング」と「電話やメールによる相談窓口の設置」がともに42.4%で最多だった。
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 このように、企業の社員に、心の病気の人が増加している。教師も医師もそうである。公務員でも同様であろう。組織に勤務する人の場合、うつ病になって薬物療法で治療しても、復帰の後、また、同じような職場環境、対人関係が待っている。それに再び直面するのを不安に思うから治りにくく退職せざるをえなくなることもある。復帰しても、もとのストレスの多い環境に戻るから、再発が多い。薬物療法だけではなくて、心理的なカウンセリングが重要であるが、中小企業では特に対策が遅れている。うつ病・自殺の減少の対策が望まれます。うつ病・自殺防止について「誰でもできるうつ病の治し方」のような本もあるくらいであるから、病気になってから専門家にまかせるというのではなくて、うつ病予防の心得をすべての人が学んで、うつ病にならないよう予防したい。そうでないと、うつ病は、自殺のおそれのあるやっかいな病気である。