列車の脱線事故の遺族の家にいやがらせ2005年05月16日 12:20

 報道によれば、犠牲者の遺族宅に嫌がらせの電話や電報などが相次いでいるという。無言電話や、ひどいことを言う。
 親族らがJR西日本社員に「JRに殺された」と訴える様子をニュースで見たといい、「そういう態度でいるから、息子が事故に遭ったのです」と話したという。

東京新聞5月16日朝刊

 人は、感情に覆われた場合、通常とは違う言葉・行動になる。遺族は「激しい悲しみ」と「激しい怒り」がある。エゴイズムの人間が気にくわないことがあって激しく怒り、他者をいじめたり、暴力、暴言するのは、誰も共感はしない。
 しかし、今回の事故の遺族の場合には、激しい言葉になるのは当然である。自分の配偶者や子どもが死んだと思って共感しようとすれば、わかりそうなものである。
 そんな悲しさ、怒りの中にあるご遺族のお宅に、いやがらせの電話をするとは、何というしうちか。さらに、苦しさを増してしまう。悲しい時に、苦しい時に、その人の苦悩を共感しないで、一層、苦しさ、悔しさを増してしまう行為をする人間がいる。
 「そういう態度でいるから」と他者を批判する資格などない。
 イラク人質事件の時にも、被害者宅に匿名でのいやがらせの電話が多かった。ひどい心の日本である。こんな日本にしたのは、私を含めて、大人の我々だ。このようなことをする人間を育てた。種々の組織で、自分中心の身勝手な考え方をする、自分たちだけの利益を貪る。そのような種々の仕組みを批判せず、放置、黙認し、助長し、同罪を犯してきた。