私のこと2005年05月13日 20:58

 私は、今は、心の病気の方のカウンセリングやカウンセラーの養成を行っています。うつ病、自殺問題が気になってしかたがないので、しばらく、この問題に集中しています。もう、歳も歳だし、早く、心理療法ができるカウンセラーがふえて、自殺が減少することを祈っています。
 今、うつ病による自殺が多いので、特に、うつ病、自殺念慮のカウンセリングに力をいれています。 うつ病は、一応、薬物療法があるが、これで治っても、再発が多い。なぜなら、うつ病は、心理的ストレスによって起きることが多いのに、薬物療法では、その心理的な対処法が身についていないので、再び、ストレスの現場に戻ると、うつ病が再発する。だから、うつ病の再発によって、自殺する人が減少しない。毎年3万人以上の人が自殺するのが6年も継続している。日本では、薬物療法以外の心理療法が遅れているので、自殺が減少しない。日本でも、認知行動療法、対人関係療法ができるカウンセラーを育成しなければいけない。
 心理療法のカウンセラーの育成には、長期の時間がかかる。早く、育成の態勢を整備しないと、うつ病によるひきこもり、自殺が減少しない。

新学期疲れ2005年05月14日 09:42

 今日の新聞に、5月の頃、子どもが「学校に行きたくない」と言い出した時の対策をのせていた。新しい学期で、なじめず、ストレスをうまくコントロールできない。「おなかが痛い、気持ち悪い、などと訴えることが多い」。
 「不調が長引くときは、かかりつけの小児科医や児童精神科医に相談するのが、解決への第一歩です」との児童精神科医の談話が紹介されている。
 しかし、これは、理想論で、実際には、うまくいかず、児童生徒の不登校を長引かせる。 小児科医や児童精神科医に相談すると、ほぼ必ず、薬を処方される。それは、次の背景があるためである。
  • (1)かかりつけの医者は心理的アドバイスを知らないことが多い。
  • (2)心理的アドバイスの有用性を理解していたとしても医者には時間がない。
  • (3)時間をかけても診療報酬が少ない。
  • (4)児童精神科医は少ない。
 心の病気には、身体症状を伴うことが多い。こういう不登校のはじめは、軽い不安障害や軽い「うつ」の始まりであることもある。だが、薬物療法で治しても、また、ストレスのある現場に戻るから再発しやすい。抗うつ薬を若い人が服用すると、自殺念慮や攻撃性が強まることがあるという副作用が欧米では確認された現在、もう医者主導の不登校対策ではいけない。新学期に不登校が起きるということ、先生の言動による場合もあること、いじめによる場合もあることから、心理的ストレスから起きたものであり、心理的対処で治すべきで、薬物療法が第一選択になってはいけない。薬物療法のみ行う医者主導の対策ではなくて、新しい仕組みを作らないと、根本対策をとらないで、若いうちから薬づけにして、青年期のひきこもり、「ニート」を生みだす一つの原因になっている。不適切な薬物投与、過剰医療による弊害を無視できない。

列車の脱線事故の遺族の家にいやがらせ2005年05月16日 12:20

 報道によれば、犠牲者の遺族宅に嫌がらせの電話や電報などが相次いでいるという。無言電話や、ひどいことを言う。
 親族らがJR西日本社員に「JRに殺された」と訴える様子をニュースで見たといい、「そういう態度でいるから、息子が事故に遭ったのです」と話したという。

東京新聞5月16日朝刊

 人は、感情に覆われた場合、通常とは違う言葉・行動になる。遺族は「激しい悲しみ」と「激しい怒り」がある。エゴイズムの人間が気にくわないことがあって激しく怒り、他者をいじめたり、暴力、暴言するのは、誰も共感はしない。
 しかし、今回の事故の遺族の場合には、激しい言葉になるのは当然である。自分の配偶者や子どもが死んだと思って共感しようとすれば、わかりそうなものである。
 そんな悲しさ、怒りの中にあるご遺族のお宅に、いやがらせの電話をするとは、何というしうちか。さらに、苦しさを増してしまう。悲しい時に、苦しい時に、その人の苦悩を共感しないで、一層、苦しさ、悔しさを増してしまう行為をする人間がいる。
 「そういう態度でいるから」と他者を批判する資格などない。
 イラク人質事件の時にも、被害者宅に匿名でのいやがらせの電話が多かった。ひどい心の日本である。こんな日本にしたのは、私を含めて、大人の我々だ。このようなことをする人間を育てた。種々の組織で、自分中心の身勝手な考え方をする、自分たちだけの利益を貪る。そのような種々の仕組みを批判せず、放置、黙認し、助長し、同罪を犯してきた。