新学期疲れ2005年05月14日 09:42

 今日の新聞に、5月の頃、子どもが「学校に行きたくない」と言い出した時の対策をのせていた。新しい学期で、なじめず、ストレスをうまくコントロールできない。「おなかが痛い、気持ち悪い、などと訴えることが多い」。
 「不調が長引くときは、かかりつけの小児科医や児童精神科医に相談するのが、解決への第一歩です」との児童精神科医の談話が紹介されている。
 しかし、これは、理想論で、実際には、うまくいかず、児童生徒の不登校を長引かせる。 小児科医や児童精神科医に相談すると、ほぼ必ず、薬を処方される。それは、次の背景があるためである。
  • (1)かかりつけの医者は心理的アドバイスを知らないことが多い。
  • (2)心理的アドバイスの有用性を理解していたとしても医者には時間がない。
  • (3)時間をかけても診療報酬が少ない。
  • (4)児童精神科医は少ない。
 心の病気には、身体症状を伴うことが多い。こういう不登校のはじめは、軽い不安障害や軽い「うつ」の始まりであることもある。だが、薬物療法で治しても、また、ストレスのある現場に戻るから再発しやすい。抗うつ薬を若い人が服用すると、自殺念慮や攻撃性が強まることがあるという副作用が欧米では確認された現在、もう医者主導の不登校対策ではいけない。新学期に不登校が起きるということ、先生の言動による場合もあること、いじめによる場合もあることから、心理的ストレスから起きたものであり、心理的対処で治すべきで、薬物療法が第一選択になってはいけない。薬物療法のみ行う医者主導の対策ではなくて、新しい仕組みを作らないと、根本対策をとらないで、若いうちから薬づけにして、青年期のひきこもり、「ニート」を生みだす一つの原因になっている。不適切な薬物投与、過剰医療による弊害を無視できない。

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