集団で過換気症候群発症 ― 2005年06月17日 08:14
めずらしい事件が報道された。6月初め、大阪府の追手門学院高校の生徒410人が修学旅行した際、29人が過換気の症状を訴え、うち、10人弱にいまも症状が残っている。一部の生徒がルール違反をしたため、旅先で学年集会を開いたところ、その場で多くの生徒が発症したという。保護者からは「生徒指導によるストレスがきっかけ」という見方が出ている。(朝日新聞、6月17日)
過換気症候群はパニック発作と似た症状がおきる。 過換気症候群は、強い呼吸困難、めまい、四肢のしびれ感、振戦、胸痛、動悸、口渇、パニック状態あるいは意識障害が起きる。通常は身体に異常な所見がなくて、不安、緊張、抑うつなど心因性に起きるものを指す。
パニック発作は、次の症状のうち4つ以上が突然に発現し、10分以内にその頂点に達する。13の症状のうち4つ以上が認められると「パニック発作」である。
このような発作が、繰り返し起こるようになると、外出するのをためらうようになり「パニック障害」になる。
この報道のように、一度に大勢が、過換気を発症するのは、現在の若い人のストレスに対する弱さ(運動不足で、セロトニン神経が弱体化)が拡大していること、旅行による疲れの蓄積、その学年集会での指導がストレスになった、などの要因が重なったのだろう。大部分の生徒が発症したのではないから、先生の指導だけに責任を負わせることはできない(生徒のセロトニン神経の弱体化、疲れたのはその生徒の個人行動=ルール違反か=もありうる、など)だろうが、指導のストレスも、一つの要因ではあったかもしれない。心の病気は、小さい頃からの育てられ方、家庭環境、運動不足、本人の選択した生き方、など種々の要因も背景となる。
学校の教師は、こういう心の病気の発症の仕組みも理解しておく必要がある。心の病気の予防的なカウンセリングの学習である。小中生の不登校のきっかけが、先生の言葉、指導からであったというのが多い。
セロトニン神経は、感情や衝動を抑制する神経であるので、セロトニン神経が弱体化すると、うつ病、パニック障害、対人恐怖などの心の病気になりやすい。また、感情、欲望を抑制できず、家庭での虐待・暴力、種々の組織での差別、いじめ、セクハラ、悪質なビジネス行動、などをする。大人のうつ・自殺が多いのも、悪質な人から誠実な人が追い込まれるという仕組みや、セロトニン神経が弱体化するような生活をしているのも、その背景にある。
あるいは、子供の場合、感情を抑制できず、「キレ」やすい。感情を処理できずに、過食、リストカット、自殺未遂のくりかえし、薬物依存、他者へのいじめ、非行・犯罪などに向かうこともある。
そのような重要な役割をはたすセロトニン神経を活性化する(予防と治療の両面に効果がある)には、坐禅に用いられる腹式呼吸法、散歩、ジョギング、などのリズム運動を毎日実践するのがよいとされる(有田秀穂氏(東邦大学教授)『セロトニン欠乏脳』NHK出版)。
子供も大人も、このようなことを実践されることをおすすめしたい。
過換気症候群はパニック発作と似た症状がおきる。 過換気症候群は、強い呼吸困難、めまい、四肢のしびれ感、振戦、胸痛、動悸、口渇、パニック状態あるいは意識障害が起きる。通常は身体に異常な所見がなくて、不安、緊張、抑うつなど心因性に起きるものを指す。
パニック発作は、次の症状のうち4つ以上が突然に発現し、10分以内にその頂点に達する。13の症状のうち4つ以上が認められると「パニック発作」である。
- (1)動悸、心悸亢進、または心拍数の増加
- (2)発汗
- (3)身震いまたは震え
-
(4)息切れ感または息苦しさ
- (5)窒息感
- (6)胸痛または胸不快感
- (7)嘔気または腹部の不快感
- (8)めまい感、ふらつく感じ、頭が軽くなる感じ、または気が遠くなる感じ
- (9)現実感消失(現実でない感じ)、または離人症状(自分自身から離れている)
- (10)コントロールを失うことに対する、または気が狂うことに対する恐怖
- (11)死ぬことに対する恐怖
- (12)異常感覚(感覚麻痺またはうずき感)
- (13)冷感または熱感(紅潮)
このような発作が、繰り返し起こるようになると、外出するのをためらうようになり「パニック障害」になる。
この報道のように、一度に大勢が、過換気を発症するのは、現在の若い人のストレスに対する弱さ(運動不足で、セロトニン神経が弱体化)が拡大していること、旅行による疲れの蓄積、その学年集会での指導がストレスになった、などの要因が重なったのだろう。大部分の生徒が発症したのではないから、先生の指導だけに責任を負わせることはできない(生徒のセロトニン神経の弱体化、疲れたのはその生徒の個人行動=ルール違反か=もありうる、など)だろうが、指導のストレスも、一つの要因ではあったかもしれない。心の病気は、小さい頃からの育てられ方、家庭環境、運動不足、本人の選択した生き方、など種々の要因も背景となる。
学校の教師は、こういう心の病気の発症の仕組みも理解しておく必要がある。心の病気の予防的なカウンセリングの学習である。小中生の不登校のきっかけが、先生の言葉、指導からであったというのが多い。
セロトニン神経は、感情や衝動を抑制する神経であるので、セロトニン神経が弱体化すると、うつ病、パニック障害、対人恐怖などの心の病気になりやすい。また、感情、欲望を抑制できず、家庭での虐待・暴力、種々の組織での差別、いじめ、セクハラ、悪質なビジネス行動、などをする。大人のうつ・自殺が多いのも、悪質な人から誠実な人が追い込まれるという仕組みや、セロトニン神経が弱体化するような生活をしているのも、その背景にある。
あるいは、子供の場合、感情を抑制できず、「キレ」やすい。感情を処理できずに、過食、リストカット、自殺未遂のくりかえし、薬物依存、他者へのいじめ、非行・犯罪などに向かうこともある。
そのような重要な役割をはたすセロトニン神経を活性化する(予防と治療の両面に効果がある)には、坐禅に用いられる腹式呼吸法、散歩、ジョギング、などのリズム運動を毎日実践するのがよいとされる(有田秀穂氏(東邦大学教授)『セロトニン欠乏脳』NHK出版)。
子供も大人も、このようなことを実践されることをおすすめしたい。
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