再発が多いうつ病の薬物療法 ― 2005年09月15日 06:36
医療については、患者にどういう治療法があって、それぞれの注意点まで患者に話してから治療するというインフォームド・コンセントが常識である。
しかし、うつ病(自殺することがあるという重篤な症状がある)については、これが十分ではないのが、日本のうつ病の分野である。日本に自殺が多いのも、これが関係しているかもしれない。
保健師その他の相談機関の人も知らないのだろうと思えることがある。たいてい、うつ病とわかったら「心療内科や精神科を紹介する」というからである。だが、薬物療法には、下記の問題がある。
また、医者は、薬物療法と心理療法があることを説明せずに、ほとんどすべての患者に薬物療法を行うだろう。
薬物療法は、結果として次のことが言われている。浜松医科大学名誉教授の高田明和氏である。
「ではなぜ薬が問題なのでしょう。まずSSRIについてですが、副作用があります。その大きな障害は性機能の低下です。男性の場合はインポテンツ、女性は性に関心がなくなります。また、チックという不随意の筋肉運動も見られます。
しかしもっとも大きな問題は再発です。薬の場合はSSRIだけでなく、イミプラミンなどでも再発は60%以上に及びます。そのために再発が怖くて薬を止められないという悪循環に陥ります。
さらに問題なのは、再発だけではなく薬が次第に効かなくなるということです。不思議なことに、精神の薬は「非常に効果があり、副作用がない」という触れ込みで売り出されていますが、実態を見ると、薬による効果が次第に薄らぐために、患者は量を増やすか、似たような薬を大量に服用するようになるのです。
じつは精神の薬の場合、その効果の多くがプラシーボ(偽薬)効果だという説もあります。新しい薬が効くといわれると、皆その薬に飛びついて、思い込みから一定程度の効果がみられるようですが、そのうちに「効果がみられない、副作用が大きい」という風評が伝わると、急にその薬が効かないと訴える患者が激増します。有名なプロザックですら、偽薬と効果が違わないという疑いが出ています。
これらの情報に興味のある方は、『心の潜在力・プラシーボ効果』(朝日新聞社 朝日選書 広瀬弘忠著)を参照してください。
このように次第に薬が効かなく、副作用が出る、再発が多くなる、などという問題が起きたことで、薬に代わる治療法はないかという検討が始まりました。そこで脚光を浴びはじめたのが認知療法なのです。」(『うつ病を自分で治す実践ノート』高田明和、リヨン社、127頁)
おりしも「医者にウツは治せない」(光文社新書)という本が出版された。
うつ病を完治させて、自殺を減少させるには、うつ病の心理療法ができるカウンセラーを増やさなければならない。
しかし、うつ病(自殺することがあるという重篤な症状がある)については、これが十分ではないのが、日本のうつ病の分野である。日本に自殺が多いのも、これが関係しているかもしれない。
保健師その他の相談機関の人も知らないのだろうと思えることがある。たいてい、うつ病とわかったら「心療内科や精神科を紹介する」というからである。だが、薬物療法には、下記の問題がある。
また、医者は、薬物療法と心理療法があることを説明せずに、ほとんどすべての患者に薬物療法を行うだろう。
薬物療法は、結果として次のことが言われている。浜松医科大学名誉教授の高田明和氏である。
「ではなぜ薬が問題なのでしょう。まずSSRIについてですが、副作用があります。その大きな障害は性機能の低下です。男性の場合はインポテンツ、女性は性に関心がなくなります。また、チックという不随意の筋肉運動も見られます。
しかしもっとも大きな問題は再発です。薬の場合はSSRIだけでなく、イミプラミンなどでも再発は60%以上に及びます。そのために再発が怖くて薬を止められないという悪循環に陥ります。
さらに問題なのは、再発だけではなく薬が次第に効かなくなるということです。不思議なことに、精神の薬は「非常に効果があり、副作用がない」という触れ込みで売り出されていますが、実態を見ると、薬による効果が次第に薄らぐために、患者は量を増やすか、似たような薬を大量に服用するようになるのです。
じつは精神の薬の場合、その効果の多くがプラシーボ(偽薬)効果だという説もあります。新しい薬が効くといわれると、皆その薬に飛びついて、思い込みから一定程度の効果がみられるようですが、そのうちに「効果がみられない、副作用が大きい」という風評が伝わると、急にその薬が効かないと訴える患者が激増します。有名なプロザックですら、偽薬と効果が違わないという疑いが出ています。
これらの情報に興味のある方は、『心の潜在力・プラシーボ効果』(朝日新聞社 朝日選書 広瀬弘忠著)を参照してください。
このように次第に薬が効かなく、副作用が出る、再発が多くなる、などという問題が起きたことで、薬に代わる治療法はないかという検討が始まりました。そこで脚光を浴びはじめたのが認知療法なのです。」(『うつ病を自分で治す実践ノート』高田明和、リヨン社、127頁)
おりしも「医者にウツは治せない」(光文社新書)という本が出版された。
うつ病を完治させて、自殺を減少させるには、うつ病の心理療法ができるカウンセラーを増やさなければならない。
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